不二稿京のニャンコ先生のおうち

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

真樹先生

正月二日、空手の師匠真樹日佐夫先生が亡くなった。
年男の71歳。欠かさず走りこみ、日々鍛練されていて、
誰も、こんなに早く逝ってしまわれると思っていなかった。
パンチパーマに真っ白のスカーフたなびかせ、
サングラスの向こうに光る眼の凄み、
生きた不動明王のごとき恐しい風貌の
岩の上で咆哮する大虎のような人だった。
けれど、強いがゆえにひと際やさしい気配りをされた。
私の芝居もたびたび観に来て下さった。
人の可愛がり方も、強烈な先生だった。
あれは公演の直前に高熱出して苦しんだ芝居の時だった、
「京、お前、頑張ったな。」と、先生は私をヘッドロックしたまま、
「よくやった、よくやったぞ」と数十メートル闊歩された。
「あ、あ、ありが・・とう、ごおごおざいますううう、う~~・・」

ああ、そうだ、そうだったのだ
今になってわかる先生の言葉がある。
ある時、全力挙げて吠えあげる役者不二稿京を光る眼でご覧になっていたが、
終演後の宴席で、「京、お前は男だろう。」とおっしゃった。
それは、良くとれば、舞台上で男のように雄々しい演技体であるという風にもとれ、
色気が無くてすみません、などとお答えしながらも、
皆に「パワーが凄い」と言われることの多いフジワラは、
当然のごとく良い意味に受け取って、ご満悦でいた。
ばかみたいにご満悦でいた。

それからそれから・・・
去年の夏の芝居を観てくださった真樹先生、
「面白かったぞ、いい話だ。」とそりゃあ嬉しそうにおっしゃった。
和気あいあいと飲み進む中で、先生は笑いながらゴッツンとゲンコツくれた。
「京、お前は男だからな。」
「いてぇー!」
「あっちいけ。男は。俺は女がいい、だははは。」
「あじゃあ」

それからそれから・・・
昨日、先生に最後のお別れのご挨拶をした。
「先生、ありがとうございました。空手をやって身体が助かりました。
続けます、空手、続けます、本当にありがとうございました・・・」
今、あくまでも逞しい先生のゲンコツを思い出す。
そうだあれは役者不二稿京の良いところも不足なところも見抜いていてのゲンコツだったのだ。
振り切る程の力でやるばかりが女優じゃない。全力で吠えあげる力ばかりじゃ一人前の女優じゃない。
男になっているだけの不二稿京はハンパな女優であったのだ。
真樹先生、ありがとう、ありがとうございます。
やさしいやさしい真樹先生。
不二稿京は身もだえして一枚一枚きっと脱皮します。
「京、いい女だな。」
と、先生に言わせてみせます、きっと。





スポンサーサイト
未分類 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。